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使用頻度の高いコマンドや素早い打鍵が必要なEmacsコマンドは, 使い勝手をよくするために, キー(文字の短い列)にバインドしてあります. 短縮する必要のないその他のEmacsコマンドはキーにバインドしてありません. これらのコマンドを実行するには, コマンド名を使う必要があります.
慣習として, コマンド名は1単語かハイフンで区切った2語以上の単語です.
たとえば, auto-fill-mode
やmanual-entry
です.
たとえ打鍵文字数が多くなったとしても,
(意図が)不明瞭な文字数個をキーとして使うよりも,
英単語をコマンド名として使うほうが覚えやすいのです.
コマンドをその名前で実行するには, M-xで始めて, コマンド名を打ち込み, <RET>で終えます. M-xは, コマンド名を読むためにミニバッファを使います. <RET>キーはミニバッファを抜けてコマンドを実行します. このとき, プロンプトとして文字列‘M-x’を ミニバッファの先頭に表示して, 実行するコマンド名を入力しなければならないことをユーザーに示します. ミニバッファの詳細については, See section ミニバッファ.
コマンド名の入力には, 補完を使えます.
たとえば, つぎのように打って,
コマンドforward-char
を起動できます.
M-x forward-char <RET> |
あるいは,
M-x forw <TAB> c <RET> |
とします.
ここで, forward-char
は,
C-fキーで起動されるコマンドと同じです.
コマンドがキーにバインドしてあるかどうかに関わらず,
M-xですべてのEmacsコマンドを名前で起動できます.
コマンド名を入力中にC-gを打つと, M-xコマンドを取り消してミニバッファから抜け出し, 最終的にはトップレベルに戻ります.
M-xで起動するコマンドに数引数を渡すには, M-xを打つまえに, 数引数を指定します. M-xは, 実行する関数に引数を渡します. 引数の値は, コマンド名を読み込んでいるあいだ, プロンプトに表示されます.
入力したコマンドに専用のキーバインドがある場合には,
Emacsはその旨エコー領域に表示します.
この表示は, コマンドの実行が終了したあと, 2秒間表示されます
(すぐに何かを打てば, この限りではない).
たとえば, コマンドM-x forward-wordを入力した場合,
M-fと打ったほうが簡単に同じコマンドを実行できるという意味の
メッセージが表示されます.
suggest-key-bindings
にnil
を設定すれば,
これらのメッセージ表示をオフにできます.
本書では, 名前で実行するコマンドの説明において, 名前を終えるために必要な<RET>を省略します. つまり, M-x auto-fill-mode <RET>ではなく, M-x auto-fill-modeとします. コマンド名に続く引数も示す場合のように, <RET>が必要なことを強調する場合にのみ, <RET>を書きます.
M-xは, execute-extended-command
を実行することで動作します.
execute-extended-command
は,
他のコマンドの名前を読み取って, それを実行する役割を担うコマンドです.
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