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21. システムの状況

このセクションは,システム全体の情報を出力または変更するコマンドを記述 します.


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21.1 date: システムの日付と時間を出力または設定

概要です.

 
date [option]… [+format]
date [-u|--utc|--universal] [ MMDDhhmm[[CC]YY][.ss] ]

引数を伴わないdateは,(以下で記述する)‘%c’指示語の書式 で,現在の時間と日付を出力します.

+’で始まる引数が与えられた場合,dateは現在の時間と日付 (または,以下で参照できる,‘--date’オプションで指定された日付と 時間)を,引数で定義された書式で出力し,それは,strftime関数と同 じです.‘%’で始まる指示語以外の,書式文字列内の文字は,変更されず に出力されます.指示語は以下で記述します.

終了ステータスのゼロは成功を示し,ゼロ以外の値は失敗を示します.


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21.1.1 時間指示語

時間に関連するdateの指示語です.

%H

時間(00…23)

%I

時間(01…12)

%k

時間( 0…23)

%l

時間( 1…12)

%M

分(00…59)

%N

ナノ秒(000000000…999999999)

%p

ロカールの大文字の‘AM’(午前)または‘PM’(午後)(多くのロカール では空白)

%P

ロカールの小文字の‘AM’(午前)または‘PM’(午後)(多くのロカール では空白)

%r

時間で,12時間基準(hh:mm:ss [AP]M)

%R

時間で,24時間基準(hh:mm).%H:%Mと同じです.

%s

エポック,すなわち1970年1月1日00:00:00 UTCからの秒(GNU拡張)です. 例えば,See %s-examples.

%S

秒(00…60).秒数の急激な変化に合わせるため,範囲は[00…60]で [00…59]ではありません.

%T

時間で,24時間基準(hh:mm:ss)

%X

ロカールの時間表現(%H:%M:%S)

%z

RFC-2822スタイルの数値的なタイムゾーン(例えば,-0600や+0100),または, タイムゾーンが決定できない場合は何もしません.この値は現在のタ イムゾーンを反映します.それは,‘--date’オプションで変更されま せん.

%Z

タイムゾーン(例えば,EDT),または,タイムゾーンが決定できない場合は何 もしません.この値は現在のタイムゾーンを反映することに注意して ください.それは,‘--date’オプションで変更されません.


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21.1.2 日付指示語

日付に関連するdate指示語です.

%a

ロカール略記される曜日の名前(Sun…Sat)

%A

ロカールの完全な週の曜日の名前で,可変長(Sunday…Saturday)

%b

ロカールの略記される月の名前(Jan…Dec)

%B

ロカールの完全な月の名前で,可変長(January…December)

%c

ロカールの日付と時間(Sat Nov 04 12:02:33 EST 1989)

%C

世紀(年の100分の1で整数に切り捨てられたもの) (00…99)

%d

月の何日目(01…31)

%D

日付(mm/dd/yy)

%e

月の何日目でゼロパディングがないもの.

%F

ISO 8601標準の日付書式,%Y-%m-%d.これは,すべてのユー ザが好む形式です.

%g

ISOの週番号に対応する年ですが,世紀(00から99の 範囲)が無いものです.%yの書式と値と同じですが,ISOの 週番号(%Vを参照)が前年または翌年になる場合は,その年が代わりに 使用されます.

%G

ISOの週番号に対応する年です.%Yの書式と値と同じですが, ISOの週番号(%Vを参照)が前年または翌年になる場合は,そ の年が代わりに使用されます.

%h

%bと同じ

%j

年の何日目(001…366)

%m

月(01…12)

%u

月曜日を1に対応させた週の日付(1…7)

%U

日曜日を週の最初の日として用いた,年の何週目(00…53)です.新年の 最初の日曜日の前の日付は,0週目になります.

%V

月曜日を週の最初の日として用いた,年の何週目の十進数(00…53)です. 新年の一月一日が含まれる週が,四日以上の日を含む場合,それは第一週と考 えられます.それ以外の場合は,前年の53週目となり,翌週が第一週となりま す.(ISO 8601の標準を参照してください.)

%w

週の何日目(0…6)で,0は日曜日に対応します.

%W

月曜日を週の最初の日として用いた,年の何週目(00…53)です.新年の 最初の月曜日の前の日付は,0週目になります.

%x

ロカールの日付表現(mm/dd/yy)

%y

最後の二桁を用いた年(00…99)

%Y

年(1970….)


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21.1.3 リテラル指示語

リテラル文字列を生成するdateの指示語です.

%%

リテラルの%

%n

改行

%t

水平タブ


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21.1.4 パディング

デフォルトで,dateは数値フィールドをゼロでパディングし,例え ば,数字の月は,常に二桁で出力されます.GNU dateは,以下の ‘%’と指示語の間の数値修飾子を認識します.

-

(ハイフン)フィールドをパディングしません.出力を人間が利用する目的の場 合役に立ちます.

_

(アンダースコア)フィールドをスペースでパディングします.出力に固定数の 文字が必要で,ゼロでは混乱する場合,役に立ちます.

これらはGNU拡張です.

以下に違いを表現する例があります.

 
date +%d/%m -d "Feb 1"
⇒ 01/02
date +%-d/%-m -d "Feb 1"
⇒ 1/2
date +%_d/%_m -d "Feb 1"
⇒  1/ 2

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21.1.5 時間の設定

+’で始まらない引数が与えられた場合,dateは,システム時 計をその引数(以下で記述)で指定された時間と日付に設定します.システム時 計を設定するため,適切な特権を持っている必要があります. ‘--date’と‘--set’オプションは,引数として使用できません. ‘--universal’オプションは,指定された時間と日付がローカルなタイ ムゾーンではなく協定世界時に関連することを示すために,引数として使用し てもかまいません.

引数は,完全な数字から成り立つ必要があり,それは以下の意味を持ちます.

MM

DD

月の日付

hh

時間

mm

CC

年の最初の二桁(オプション)

YY

年の最後の二桁(オプション)

ss

秒(オプション)

--set’オプションもシステム時計を設定します.次のオプションを参 照してください.


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21.1.6 dateのオプション

プログラムは以下のオプションも受け入れます.共通のオプションも参照 してください.

-d datestr
--date=datestr

現在の時間と日付の代わりに,datestrで指定された時間と日付を表示 します.datestrは,ほとんどあらゆる一般的な書式が可能です.月の 名前,タイムゾーン,‘am’と‘pm’,‘yesterday’,‘ago’, ‘next’,等を含めることが可能です.See section 日付入力の書式.

-f datefile
--file=datefile

-d’と同様に,datefileのそれぞれの行を解析し,結果の時間 と日付を表示します.datefileが‘-’の場合,標準入力を使用しま す.dateの実行を何度も開始するシステムのオーバーへッドは無視 できないので,これは多くの日付を処理するとき役に立ちます.

-I timespec
--iso-8601[=timespec]

ISO 8601書式‘%Y-%m-%d’を使用して日付を表示します.

オプション引数のtimespecは,含める時間の追加の単語の数を指定しま す.以下の一つになるはずです.

auto

デフォルトの動作です.日付のみ出力します.

hours

日付に時間を追加します.

minutes

時間と分を追加します.

seconds

時間,分,そして秒を追加します.

時間の用語を表示する場合,書式‘%z’を使用したタイムゾーンを含めま す.‘--utc’も指定されている場合,‘%z’の場所に‘%Z’を使 用します.

--iso-8601’でtimespecが省略されている場合,デフォルトは ‘auto’です.古いシステムでは,GNU dateは時代遅れの オプション‘-I[timespec]’を代わりにサポートしていて,そこ でのtimespecのデフォルトは‘auto’です.POSIX 1003.1-2001 (see section 標準への準拠)では,引数を用いない ‘-I’を許可していません.代わりに‘--iso-8601’を使用してく ださい.

-R
--rfc-822
--rfc-2822

%a, %d %b %Y %H:%M:%S %z’の書式を使用して日時を出力し,それは常 に英語で略記されるCロカールで評価されます. 例えば以下のようになります.

 
Fri,  1 Aug 2003 23:05:56 -0700

この書式は,RFC 2822RFC 822に 準拠していて,現在とそれ以前のインターネット電子メールの標準のものです.

-r file
--reference=file

現在の時間と日付の代わりに,fileが最後に編集された時間を参照して, 時間と日付を表示します.

-s datestr
--set=datestr

時間と日付をdatestrに設定します.上記の‘-d’を参照してくだ さい.

-u
--utc
--universal

TZ環境変数が文字列‘UTC0’に設定されているかのように,世界標 準時(UTC)を使用します.通常,dateTZで示さ れるタイムゾーン,またはTZが設定されていない場合はシステムデフォ ルトのタイムゾーンで処理します,協定世界時は,歴史的な理由で“グリニッ ジ標準時”(GMT)と呼ばれることもよくあります.


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21.1.7 dateの例

以下にいくつかの例があります.上記セクションの‘-d’オプションに 対するドキュメントも参照してください.


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21.2 uname: システム情報の出力

unameは,実行しているマシンとオペレーティングシステムの情報 を出力します.オプションが与えられない場合,unameは ‘-s’オプションが与えられたかのように動作します.概要です.

 
uname [option]…

複数のオプションや‘-a’が与えられた場合,選択された情報は,以下 の順番で出力されます.

 
kernel-name nodename kernel-release kernel-version machine processor hardware-platform operating-system

情報の内部にはスペースが含まれるので,出力を確実にパースすることは不可 能です.以下の例では,releaseは‘2.2.18ss.e820-bda652a #4 SMP Tue Jun 5 11:24:08 PDT 2001’です.

 
uname -a
⇒ Linux dum 2.2.18ss.e820-bda652a #4 SMP Tue Jun 5 11:24:08 PDT 2001 i686 unknown unknown GNU/Linux

プログラムは,以下のオプションも受け入れます.共通のオプションも参 照してください.

-a
--all

以下の情報すべてを出力します.

-i
--hardware-platform

ハードウェアのプラットフォーム名を出力します(ハードウェア実装と呼ばれ ることもあります).

-m
--machine

マシンハードウェア名を出力します(ハードウェアクラスまたはハードウェア タイプと呼ばれることもあります).

-n
--nodename

マシンのネットワークノードのホスト名を出力します.

-p
--processor

マシンのプロセッサタイプを出力します(命令セットアーキテクチャやISAと呼 ばれることもあります).

-o
--operating-system

オペレーティングシステムの名前を出力します.

-r
--kernel-release

カーネルのリリースを出力します.

-s
--kernel-name

カーネルの名前を出力します.POSIX 1003.1-2001 (see section 標準への準拠)では,これを“オペレーティングシステム の実装(the implementation of the operating system)”と呼んでいます. POSIXの指定自身には“カーネル(kernel)”の概念はありません. カーネル名は,‘-o’や‘--operating-system’オプションで出力 されるオペレーティングシステムの名前と同じですが,違う場合もあります. オペレーティングシステムによっては(例えばFreeBSD,HP-UX),基礎となるカー ネルと同じ名前ですが,それ以外のもの(GNU/Linux,Solaris)もあります.

-v
--kernel-version

カーネルのバージョンを出力します.

終了ステータスのゼロは成功を示し,ゼロ以外の値は失敗を示します.


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21.3 hostname: システム名の出力や設定

引数が無い場合,hostnameは現在のホストシステムの名前を出力し ます.一つの引数を用いた場合,それは現在のホスト名を指定された文字列に 設定します.ホスト名の設定には適切な特権が必要です.概要です.

 
hostname [name]

オプションは,‘--help’と‘--version’だけです. See section 共通のオプション.

終了ステータスのゼロは成功を示し,ゼロ以外の値は失敗を示します.


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21.4 hostid: 数値でホストの識別子を出力

hostidは,現在のホストの数値の識別子を16進数で出力します.こ のコマンドは引数を受け入れません.オプションは‘--help’と ‘--version’だけです.See section 共通のオプション.

例えば,私が使用しているシステムでは,以下のように出力されます.

 
$ hostid
1bac013d

このシステムでは,システムのInternetアドレスに関連した32ビットの数値に たまたまなっていますが,常にそうだというわけではありません.

終了ステータスのゼロは成功を示し,ゼロ以外の値は失敗を示します.


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この文書は新堂 安孝によって2009年9月22日texi2html 1.82を用いて生成されました。