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20. ユーザ情報

このセクションは,ユーザに関連する情報を出力するコマンドを記述します. login,グループ,その他です.


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20.1 id: 実際と実効のuidとgidを出力

idは,与えられたユーザや,ユーザが指定されていない場合はそれ を実行しているプロセスの情報を出力します.概要です.

 
id [option]… [username]

デフォルトで,それは実際のユーザid,実際のグループid,実際のユーザidと 異なる場合は実効ユーザid,実際のグループidと異なる場合は実効グループid, そして,追加のグループidを出力します.

それぞれのこれらの数値は,識別文字が前置され,カッコ内に対応するユーザ やグループ名が続きます.

オプションで,idは,上記の情報の一部のみを出力します. 共通のオプションも参照してください.

-g
--group

グループidのみ出力します.

-G
--groups

追加のグループのみ出力します.

-n
--name

ID番号の代わりにユーザやグループの名前を出力します.‘-u’,‘-g’, または‘-G’が必要です.

-r
--real

実効の代わりに,実際のユーザやグループのidを出力します.‘-u’, ‘-g’,または‘-G’が必要です.

-u
--user

ユーザidのみ出力します.

終了ステータスのゼロは成功を示し,ゼロ以外の値は失敗を示します.


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20.2 logname: 現在のログイン名を出力

lognameは,ファイル‘/etc/utmp’に見つかる,呼び出してい るユーザ名を出力し,0のステータスで終了します.呼び出しているプロセス に対する‘/etc/utmp’項目がない場合,lognameはエラーメッ セージを出力し,1のステータスで終了します.

オプションは‘--help’と‘--version’のみです.See section 共通のオプション.

終了ステータスのゼロは成功を示し,ゼロ以外の値は失敗を示します.


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20.3 whoami: 実効ユーザidの出力

whoamiは,現在の実効ユーザidに関連しているユーザ名を出力しま す.コマンド‘id -un’と同じです.

オプションは‘--help’と‘--version’のみです.See section 共通のオプション.

終了ステータスのゼロは成功を示し,ゼロ以外の値は失敗を示します.


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20.4 groups: ユーザが所属するグループ名を出力

groupsは,与えられたそれぞれのusername,または,名前が 与えられない場合は現在のプロセスに対する,プライマリと追加のグループ名 を出力します.名前が与えられた場合は,それぞれのユーザ名が,ユーザのグ ループのリストの前に出力されます.概要です.

 
groups [username]…

グループリストは,コマンド‘id -Gn’の出力と同じです.

オプションは‘--help’と‘--version’のみです.See section 共通のオプション.

終了ステータスのゼロは成功を示し,ゼロ以外の値は失敗を示します.


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20.5 users: 現在ログインしているユーザのログイン名を出力

usersは,現在のホストに現在ログインしているユーザの,空白で 分けられたユーザ名のリストを,単一行に出力します.それぞれのユーザ名は ログインセッションに対応するので,一回以上のログインセッションがあるユー ザは,ユーザ名が回数と同じ数だけ出力にあらわれます.概要です.

 
users [file]

file引数がない場合は,usersは,その情報をファイル ‘/etc/utmp’から,抽出します.ファイル引数が与えられた場合は, usersは,代わりにそのファイルを使用します.普通は, ‘/etc/wtmp’を選択します.

オプションは‘--help’と‘--version’だけです.See section 共通のオプション.

終了ステータスのゼロは成功を示し,ゼロ以外の値は失敗を示します.


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20.6 who: 現在ログインしているユーザを出力

whoは,現在ログオンしているユーザの情報を出力します.概要で す.

 
who [option] [file] [am i]

非オプション引数が与えられていない場合,whoは,現在ログオン しているそれぞれのユーザに対し,以下の情報を出力します.ログイン名,端 末回線,ログイン時間,そして,リモートホスト名やXディスプレイです.

非オプション引数が一つ与えられている場合,whoは, ‘/etc/utmp’ の代わりに,それをログオンしているユーザの記録を含む ファイル名として使用します.通常,以前ログインしていた人を見るために, ‘/etc/wtmp’が引数として与えられます.

非オプションが二つ与えられている場合,whoは,(標準入力から決 定される)それを実行しているユーザの項目のみ出力し,それにはホスト名が 前置されます.伝統的に,二つの与えられる引数は,‘am i’で, ‘who am i’となります.

プログラムは以下のオプションも受け入れます.共通のオプションも参照 してください.

-a
--all

-b -d --login -p -r -t -T -u’と同じです.

-b
--boot

前回システムが起動した日時を出力します.

-d
--dead

死んだプロセスに対応する情報を出力します.

-H
--heading

列の見出しを出力します.

-i
--idle

アイドル時間のHOURS:MINUTESの形式,‘.’ (現在のプロセスを示す),ま たは‘old’を含めます.

-m

who am i’と同じです.

-q
--count

ログイン名と,ログオンしているユーザの数のみを出力します.他のすべての オプションに優先します.

-s

無視します.他のバージョンのwhoとの互換性のためです.

-i
-u
--idle

ログイン時間後,ユーザがアイドル状態の時間と分の数を出力します. ‘.’ は,ユーザがこの一分間の間にアクティブだったということを意味 します.‘old’は,ユーザが24時間以上アイドル状態だということを意味 します.

-l
--login

ユーザのログインを待っているシステムのプロセスに対応する項目だけをリス トアップします.ユーザ名は常に‘LOGIN’になります.

--lookup

DNSルックアップを通じて,utmpで見つかるホスト名の標準化を試みます.こ れは,自動ダイアルアップインターネットアクセスを用いたシステムで,重大 な遅延を引き起こすため,デフォルトではありません.

-H
--heading

列の見出しを出力します.

-w
-T
--mesg
--message
--writable

それぞれのログイン名の後に,ユーザのメッセージステータスを示す文字を出 力します.

 
+writeメッセージが利用可能です.
‘-writeメッセージが利用不可能です.
‘?’ 端末デバイスが見つかりません.

終了ステータスのゼロは成功を示し,ゼロ以外の値は失敗を示します.


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この文書は新堂 安孝によって2009年9月22日texi2html 1.82を用いて生成されました。