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E. ページ見出し

ほとんどの印刷されたマニュアルには,タイトルと著作権のページ以外の全ての ページの上側に見出しがあります.フッタを含むマニュアルもあります.(見出 しとフッタはInfoでは意味がなく,それにはページが付いていないためです.)

Texinfoは,それぞれの紙の片側に印刷されるマニュアルと,紙の両面に印刷さ れるマニュアルに対して,標準的なページ見出しの書式を提供しています.通常 はこれらの書式を使用しますが,希望があれば独自の書式を指定することも可能 です.

更に,章を新しいページで始めるか,前の章と同じページに続けるかを指定する ことが可能です.そして,章を新しいページで始める場合,奇数番号のページか ら始めるように指定することが可能です.

慣習的に,本は紙の両面に印刷されます.本を開いたときは,右側のページが奇 数番号で,章は右側のページから始まります — 前にある左側のページは必要 があれば空白のままになります.しかし,報告書は片面に印刷され,前の章が終っ た直後に改ページされて章を開始することが多くなっています.短い情報的な報 告書では,全く新しいページで章を開始すること滅多に無く,小量の空白をテキ ストの前に置くことで分離されています.

@setchapternewpageコマンドで,章を新しいページで始めるかどうかと, 標準的な見出しの書式の一つを使用するかどうかを制御します.Texinfoには, 独自の見出しとフッタの書式を生成するために使用可能な見出しとフッタのコマ ンドがいくつかあります.

Texinfoでは,見出しとフッタはページの上側と下側の単一行です.複数行の見 出しとフッタを作成することは不可能です.それぞれのヘッダとフッタ行は三つ の部分に分けられます.左側の部分,真中の部分,そして右側の部分です.あら ゆる部分または行全体は,空白のままにしてもかまいません.ヘッダとフッタ行 の左の部分にあたるテキストは左寄せになります.真中の部分のテキストは中央 揃えされます.そして右の部分のテキストは右寄せになります.


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E.1 標準的な見出しの書式

Texinfoは二つの標準的な見出しの書式を提供していて,一つは紙のそれぞれの ページの片面に印刷されたマニュアルに対するもので,もう一つは紙の両面に印 刷されたマニュアルに対するものです.

デフォルトではTexinfoファイルのフッタは指定されず,フッタは空白のままで す.

片面印刷の標準的な書式は,左側の部分に章の名前を含み,真中の部分が空白で, 右側の部分がページ番号となっているヘッダから成り立ちます.

片面ページは以下のようになります.

 
  _______________________
 |                       |
 | chapter   page number |
 |                       |
 | Start of text ...     |
 | ...                   |
 |                       |

両面印刷の標準的な書式はページ番号が偶数か奇数かに依存します.慣習では, 偶数番号のページは左側,奇数番号のページは右側になります.(TeXは,左 右の余白の幅を調整します.通常は,その幅で正しいのですが,両面印刷のとき はページが正しく結びつけられているか調べた方が良いでしょう — プリンタ によっては,奇数ページの余白より右側の余白が大きくなる偶数ページで出力を 生成するものもあります.)

標準的な両面の書式では,左側(偶数番号)のページの左側の部分はページ番号を 含み,真中の部分は空白で,右側の部分は(@settitleコマンドで指定さ れた)タイトルを含みます.右側(奇数番号)のページの左側の部分は章の名前を 含み,真中の部分は空白で,右側の部分はページ番号を含みます.

両側に開いた本の二ページは,以下のようになります.

 
  _______________________     _______________________
 |                       |   |                       |
 | page number     title |   | chapter   page number |
 |                       |   |                       |
 | Start of text ...     |   | More  text ...        |
 | ...                   |   | ...                   |
 |                       |   |                       |

章の名前は,単語“Chapter”(19),章の番号,そしてコロンが前置されます.これで,マニュアルの 現在の場所を記録し追跡することがより簡単になります.


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E.2 見出しの形式の指定

TeXは,@end titlepageコマンドに至るまで,標準的なTexinfoファ イルに対しページ見出しの生成を開始しません.このため,タイトルと著作権の ページは番号が付きません.@end titlepageコマンドは, @titlepageセクションの前にある@setchapternewpageコマンド で指定された標準的な書式によって,TeXにページ見出しの生成を開始させま す.

可能性は四つあります.

@setchapternewpageコマンド無し

章を新しいページで開始する片面見出しの書式をTeXに指定します.これは, @setchapternewpage onと同じです.

@setchapternewpage on

章を新しいページで開始する片面見出しの書式を指定します.

@setchapternewpage off

新しい章を,前の章のページの最後と同じページで,いくらか縦方向の空白を開 けてTeXが開始します.また,TeXは片面ページで植字します. (@headings doubleコマンドでヘッダの書式を優先することが可能です. The @headings Commandを参照してください.)

@setchapternewpage odd

章を新しいページで開始する両面の書式を指定します.

Texinfoには@setchapternewpage evenコマンドはありません.


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E.3 独自の見出しの作成方法

Texinfoで提供される標準的な見出しを使用したり,独自のものを指定したりす ることが可能です.デフォルトではTexinfoにはフッタが無いので,指定した場 合,主なテキストに対して利用可能なページサイズがわずかに減少します.

Texinfoは見出しとフッタを指定する六つのコマンドを提供します.

Texinfoファイルの@end titlepageコマンド直後に,カスタムの見出し 指定を書いてください.前もって定義している見出しコマンドを,独自の指定を 定義する前に@headings offコマンドで中止する必要があります.

偶数と奇数の番号のページの両方の全てのヘッダに,章の名前を左側に,ページ 番号を真中に,日付を右側に置くようにTeXに伝える方法は以下のようになり ます.

 
@headings off
@everyheading @thischapter @| @thispage @| @today{}

真中の部分と左の部分,そして右の部分と真中の部分を,部分同士の間に ‘@|’を挿入して分離する必要があります.そうしない場合,指定コマンド は,一つのテキストの終りの部分と次の始めの部分の位置を伝えることができま せん.

それぞれの部分には,テキストや@-コマンドを含めることが可能です.本体の ページの,通常の段落にある部分のようにテキストは印刷されます.@-コマン ドはページ番号,日付,章の名前,または何にでも,それ自身が置換されます.

六つの見出しとフッタのコマンドには以下のものがあります.

@everyheading left @| center @| right
@everyfooting left @| center @| right

‘every’コマンドは,偶数と奇数の番号のページ両方の書式を指定します.これ らのコマンドは,それぞれの紙の片面に印刷されるドキュメントや,対称なヘッ ダとフッタにしたいドキュメントに対するものです.

@evenheading left @| center @| right
@oddheading left @| center @| right
@evenfooting left @| center @| right
@oddfooting left @| center @| right

‘even’と‘odd’コマンドは,偶数番号のページと奇数番号のページの書式を指定 します.これらのコマンドは,本と,それぞれの紙の両面に印刷されるマニュア ルに対するものです.

章とセクションの名前とページ番号を供給するため,‘@this…’シリー ズの@-コマンドを使用してください.見出しフッタの,左揃え,中央揃え,右 揃えの中や,@iftex@end iftexコマンドの間の部分以外の Texinfoファイルで,‘@this…’コマンドを使用することも可能です.

@this…’コマンドは以下のようになります.

@thispage

現在のページ番号を展開します.

@thischaptername

現在の章の名前を展開します.

@thischapter

現在の章の番号と名前を,書式‘Chapter 1: Title’に展開します.

@thistitle

ドキュメントの名前を@settitleで指定されているものに展開します.

@thisfile

@includeファイルに対してのみです.現在の@includeファイル の名前に展開します.現在のTexinfoソースファイルが@includeファイ ルではない場合,このコマンドには効果がありません.@includeファイ ルではない場合,このコマンドは現在のTexinfoソースファイルの名前を提供 しません.( @includeファイルの詳細は,See section インクルードファイル.)

@today{}コマンドも使用可能で,それは現在の日付を‘1 Jan 1900’の 書式で展開します.

その他の@-コマンドとテキストは,ページの本体に書かれているかのようにヘッ ダとフッタに印刷されます.それは,特にドラフトを書いているとき,テキスト を組み入れることに役立ちます.

 
@headings off
@everyheading @emph{Draft!} @| @thispage @| @thischapter
@everyfooting @| @| Version: 0.27: @today{}

余りに長いタイトルへの注意: それらは他のヘッダやフッタの部分に重なり,隠 してしまう可能性があります.


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この文書は新堂 安孝によって2009年9月22日texi2html 1.82を用いて生成されました。