[ < ] [ > ]   [ << ] [] [ >> ]         [冒頭] [目次] [見出し] [ ? ]

16. sdiffの呼び出し

sdiffコマンドは,二つのファイルをマージし,その結果を対話的に 出力します.その引数は以下のようになります.

 
sdiff -o outfile optionsfrom-file to-file

これは,from-fileto-fileをマージし,outfileに出力し ます.from-fileがディレクトリでto-fileがそうではない場合, sdifffrom-file内のファイル名がto-fileのファイル と比較し,逆も同じです.from-fileto-fileを両方ともディレク トリにすることはできません.

sdiffのオプションは‘-’で始まるので,通常はfrom-fileto-fileを‘-’で始めてはなりません.しかし,‘--’を引数 とすることで,それ以降の引数を‘-’で始まる場合でもファイル名として扱 います.‘-’を入力ファイルとして使用してはいけません.

-o’(または‘--output’)を用いないsdiffで,横に並 べた差異を生成します.この使用方法は時代遅れです.代わりにdiff の‘-y’や‘--side-by-side’オプションを使用してください.

0の終了ステータスは差異が見つからなかったことを意味し,1は差異が見つかっ たことを意味し,そして2は問題が生じたことを意味します.


[ < ] [ > ]   [ << ] [] [ >> ]         [冒頭] [目次] [見出し] [ ? ]

16.1 sdiffのオプション

以下は,GNU sdiffが受け入れるオプションすべての概要です. ぞれぞれのオプションは二つの等価な名前があり,一つは‘-’を前置する単 一文字で,もう一つは‘--’を前置する長い名前です.複数の(引数を取らな い)単一文字のオプションを,単一のコマンドラインの単語に組み合わせること が可能です.長い名前のオプションは,ユニークに決定できる前方部分で省略可 能です.

-a
--text

すべてのファイルを,テキストのように見えない場合でもテキストとして扱い, 行単位で比較します.See section バイナリファイルと,テキストファイルの比較の強制.

-b
--ignore-space-change

空白の量の変更を無視します.See section 空白とタブのスペースの差を抑制する.

-B
--ignore-blank-lines

空白行の挿入と削除だけの変更を無視します.See section 空白行の差を抑制する.

-d
--minimal

より小さな変更の組を見つけるアルゴリズムに変更します.これで sdiffはより遅く(時には非常に遅く)なります.See section diffの性能のトレードオフ.

--diff-program=program

ファイルを比較するため,diffの代わりにプログラムprogram と互換性のある比較を使用します.

-E
--ignore-tab-expansion

タブの展開による変更を無視します.See section 空白とタブのスペースの差を抑制する.

--help

使用方法の概要を出力し終了します.

-i
--ignore-case

大文字小文字の変更を無視します.大文字と小文字が同じであると考えます. See section 大文字小文字の差を抑制する.

-I regexp
--ignore-matching-lines=regexp

regexpにマッチした行の挿入や削除だけの変更を無視します. See section 正規表現にマッチする行を抑制する.

-l
--left-column

二つの共通な行の左の列だけを出力します.See section 並べた書式の制御.

-o file
--output=file

マージされた出力をfileに書き出します.このオプションはマージで必要 です.

-s
--suppress-common-lines

共通の行を出力しません.See section 並べた書式の制御.

--speed-large-files

小さな変更が大量にある大きなファイルの処理を高速化するため,発見的手法を 使用します.See section diffの性能のトレードオフ.

--strip-trailing-cr

入力ファイルの終りに後置される改行を削除します.See section バイナリファイルと,テキストファイルの比較の強制.

-t
--expand-tabs

入力ファイルのタブによる位置合わせを保持するため,出力のタブをスペースに 展開します.See section タブストップの位置合わせを保持する.

-v
--version

バージョン情報を出力し終了します.

-w columns
--width=columns

行ごとに最大columns列(デフォルトは130列)出力します.See section 並べた書式の制御. 歴史的な理由から,このオプションはdiffでは ‘-W’に,sdiffでは‘-w’になっています.

-W
--ignore-all-space

行の比較で空白を無視します.See section 空白とタブのスペースの差を抑制する. 歴史的な理由から,この オプションはdiffでは‘-w’に,sdiffでは ‘-W’になっています.


[ << ] [ >> ]           [冒頭] [目次] [見出し] [ ? ]

この文書は新堂 安孝によって2009年9月22日texi2html 1.82を用いて生成されました。