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14. diff3の呼び出し

diff3コマンドは三つのファイルを比較し,それらの差異の記述を出 力します.その引数は以下のとおりです.

 
diff3 optionsmine older yours

比較するファイルは,mineolder,そしてyoursです.これ らの三つのファイルの一つは‘-’が可能で,それはdiff3にファ イルを標準入力から読み込むように伝えます.

終了ステータスの0はdiff3が成功したことを意味し,1は衝突が見つ かったことを意味し,2は問題があったことを意味します.


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14.1 Options to diff3


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14.2 diff3のオプション

以下は,GNU diff3が受け入れるすべてのオプションの概要です. 複数の(引数を取らない)単一文字のオプションを,単一のコマンドラインの単語 に組み合わせることが可能です.

-a
--text

ファイルがテキストのように見えない場合でも,すべてのファイルをテキストと して扱い,行ごとに比較します.See section バイナリファイルと,テキストファイルの比較の強制.

-A
--show-all

olderからyoursへのマージされていないすべての変更を,衝突した 部分の周りをカッコ付の行で囲んでmineに取り込みます.See section 衝突の印づけ.

--diff-program=program

ファイルの比較で,diffの代わりにプログラムprogramに互換 性のある比較を使用します.

-e
--ed

olderからyoursへのすべての変更をmineに取り込む edスクリプトを生成します.See section 組み込む変更を選択する.

-E
--show-overlap

-e’に似ていますが,オーバーラップしている変更部分の最初と三番目 のファイルの行をカッコで囲みます.See section 衝突の印づけ. ‘-E’ を用いると,オーバーラップしている変更は以下のようになります.

 
<<<<<<< mine
lines from mine
=======
lines from yours
>>>>>>> yours
--help

使用方法の概要を出力し終了します.

-i

System V互換のため,edスクリプトの終りに‘w’と‘q’コマ ンドを生成します.このオプションは,‘-AeExX3’オプションの一つと組 み合わせる必要があり,‘-m’と組み合わせてはいけません. See section 変更されたファイルの保存.

-L label
--label=label

-A’,‘-E’,そして‘-X’オプションで出力されるカッコ に対して,ラベルlabelを使用します.このオプションはそれぞれの入力 ファイルに対して一つ,三回まで与えてもかまいません.デフォルトのラベルは 入力ファイルの名前です.このため,‘diff3 -L X -L Y -L Z -m A B C’は ‘diff3 -m A B C’ように動作しますが,出力は,ファイル名‘A’, ‘B’,そして‘C’からではなく,ファイル名‘X’,‘Y’,そし て‘Z’からのように見えます.See section 衝突の印づけ.

-m
--merge

最初のファイルに編集スクリプトを適用し,結果を標準出力に送ります. diff3の出力をedにパイプで送るのとは異なり,これはバ イナリファイルや不完全なファイルに対しても動作します.編集スクリプトのオ プションが指定されていない場合,‘-A’が仮定されます. See section マージされた出力を直接生成する.

-T
--initial-tab

通常の書式の行の前のテキストに,二つのスペースの代わりにタブを出力します. これで,行中のタブによる位置合わせが普通になります.See section タブストップの位置合わせを保持する.

-v
--version

バージョン情報を出力し終了します.

-x
--overlap-only

-e’に似ていますが,オーバーラップしている変更だけ出力します. See section 組み込む変更を選択する.

-X

-E’に似ていますが,オーバーラップしている変更だけ出力します.言 い替えると,‘-x’に似ていますが,‘-E’のようにカッコを変更し ます.See section 衝突の印づけ.

-3
--easy-only

-e’に似ていますが,オーバーラップしていない変更だけ出力します. See section 組み込む変更を選択する.


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この文書は新堂 安孝によって2009年9月22日texi2html 1.82を用いて生成されました。