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Hena Hena Nikki

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2008.12.09 / Tuesday [長年日記]

* [computer/update] PHP ver.5.2.8

動的な web page 作成に向いているスクリプト言語。

* [computer/update] MacFUSE ver.2.0

Filesystem in USErspace の Mac OS X における実装。

* [computer/update] VLC media player ver.0.9.8a

非常に多くのフォーマットに対応したマルチ・プラットホームのメディア・プレーヤ。

* [computer/update] Guile ver.1.8.6

定番の Scheme interpreter。

* [miscellaneous] 学歴は重要という幻想と学歴が不要という幻想 (@IT エンジニアライフ)

学歴だけでその人の実力を測れないのは事実。 客観的にみて完全に高学歴だけど全く使えない人材もいれば、 学歴的には目立つものがなくとも他に替え難い人材もいる。 こういった議論は、少数サンプルや特殊環境を取り上げ過ぎで、 ちょっとズレていることが多い気もするが、まあ、それは置いといて…。

学歴、僕の場合は博士を持っていることで得したこと損したことの両方があるので、その視点で書いてみたい。

僕は今の会社で 3 社目だ。 社会人 6 年目で、最初の会社 (S/W 開発担当) は 2 年弱、 次の会社 (S/W 研究開発担当) は 2 年半、そして今の会社 (S/W 研究開発担当) に至る…。 もともと代数学を専攻していて、情報系の知識はもちろん、 プログラミングの知識・経験など 0 だった人間が、 こうもうまく (望んだ時に確実に) 転職できているのは、 正直、学歴が大きいと思っている。

最初の会社は、入社当時、かなりの成長を見せていた中小規模の IT 系メーカーで、 博士課程出身者の 1 年目基本給が 29 万円という、変わった企業だった。 同期入社の技術者が 10 名強で、そのうち 3〜4 割が博士課程出身。 また、8〜9 割が旧帝国大学出身だった。 当時、この好条件を獲得するには、かなりの学歴が必要だったのは明白で、 仮に実力があったとしても、 学歴なしでは新卒で採用されなかった (より正確に言うと、書類専攻で落ちていた) と思う。

最初の会社の営業や企画の方々にがっかりさせられ続け、 次の企業に転職したのだが、ここでも学歴は重視されたようだ。 この企業、ある分野では世界トップクラスの機械メーカーだったので、 職歴からは全く期待を持たれる点はなかったはずだが、 研究開発部門 (今考えると、担当が特殊だった自分は別として、普通の開発部門だったような…) で採用された。 前職が純粋な開発だったことを考えると、 少なくとも一部の方は期待して下さっていたのだと思う。

だが、採用は別として、この企業では学歴で損をした。

博士は、ある分野に注力した結果、一定以上の業績を出せた場合に取得できるもので、 順応の早さなど、器用さがなくても取れる (むしろない方が良いのかも) ものだ。 更に言えば、数学の博士は、 たいていは個人が時間をかけて努力した結果の証であり、 大学受験にある他人との競争みたいな要素はあまり感じず取得できる。 この企業では、ここを勘違いしている人達が多くいた印象がある。

この企業では、熟考すること、 特に仮定と結論を重要視することを放棄していて、 「とにかく行動!」という文化があった。 …このやり方なら数学で博士をとる人材は不要だろう。 プロジェクトの運営方法や古風な文化そのものにうんざりし、 心身ともに疲れ果てた結果、今の企業に転職した。

というわけで、博士という肩書は意外に役に立つと思う。 少なくとも、仕事を選ぶ際の助けとなってくれることは間違いないはず。 それが博士を取得した分野に関係ない分野であっても。 ただ、その肩書きを勘違いされることも多いので、 注意しておかないと痛い目に遭うだろう。

…ちなみに、「肩書ばかりを見る人は、信頼するに足らない人物だ」 と考えているので、判別器としても役に立っている。 けっこう便利な小道具 (名札?) かな。


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